黒豆仙人
このコンテンツでは、套路について、あれこれ解説します。
そもそも套路って何?
套路とは、カンフーで練習する型のことです。
攻防技術、姿勢、歩法などを組み合わせた、武術の練習方法。
一人で練習する套路や、対錬という複数人でする套路もあります。
套路は以下のような目的で練習します。
- 武術の動きや技を身体に覚えさせる
- 自分の武術スキルのレベルがわかる(指導者もわかりやすい)
カンフーの套路を大きく分けると、健康法、型演武、格闘技があります。
健康法として世界的に広まっている套路に、簡化24式太極拳、などがあります。
型演武には、見せることに特化した競技套路という体操のようなスポーツがあります。
らん
長拳、太極拳についてはこちらで解説しています。↓
格闘をメインにやっているところであっても、実践型や約束組手、コンビネーションなどがあるならそれが套路に該当します。
套路ってなんでできたの?
黒豆仙人が老師から伝え聞いた套路の由来は、
- 基本の型を忘れないため
- 自分の武術を紹介するため
なぜなら
動いて覚えるしかなかったから。(無形文化という意味でも)
まず、人間はやらないと忘れてしまうので、伝えられた基本の型を忘れないために、基本を組み合わせて套路ができたと考えられます。
それに識字率の低かった昔の中国では、字の読めない人も少なからずいましたから、武術は見て覚えるしかなかったのだそうです。
自分の武術をどうやって人に伝えるか、という時にも、套路は役に立ちました。
「私は〇〇拳をやっているんだ」
「へー、それってどんなの?」
こういう時に、「こんなのだよ」と動いて見せたら、人にわかりやすいし、興味をもってもらえて、次の世代に受け継いでもらえる可能性が高まります。
民間で文書化したり図解で武術があまり残されなかった背景には、中国は王朝、政府が変わると、反乱を防ぐために民間の武術を禁止した時代が度々あったからです。
武術の指南書が見つかると当局に捕まるので、武術家はこっそり教えていました。
また、文書に残すと技術が盗まれてしまう可能性もあるので、大事なことは口伝えという理由もあります。
黒豆仙人
套路の内容にもよるんですが、たとえば僕が指導していることで、套路、それも一人で行う練習だけに限っても、以下のような効果はあります。
- 身体の動きが柔らかくなる
- 動きが素早くなる
- 身体の使い方が上手くなる
- 姿勢がよくなる
- 安定感が増す
- 武術の動きが覚えられる
- 自信や度胸がつく
我流でがむしゃらに何かをするのもいいけど、套路を通して先人の知恵や工夫を学ぶのも、上達するよい方法だと、僕は思いますよ。
まとめ
- 套路は武術の動きの手順
- 型を忘れず人に伝えるために套路がある
- 先人の知恵と工夫を套路でインストール
以上、黒豆仙人流に套路について解説してみました。
最後に、一つ知っておいてください。
カンフーでは、同じ套路であってもみんな違います。
同じ流派の同じ名称の套路であっても、指導者によって風格や動きが別物のように違うことがカンフーではよくあります。
それは人は皆、体格も性格も、套路に対する考え方も好みも違うからです。(国柄もあるんでしょうけど)
世界は多種多様で、人との違いを認めれば人の数だけ素晴らしい可能性がある、と黒豆仙人は考えます。
なぜ武術は多様であるのか、関心がありましたらこちらの記事をご参考にどうぞ。↓
知っておくと理解が深まる、武術の多様性黒豆仙人
ここまで読んで下さって、本当にありがとうございます。
次回、お楽しみに。
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